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もう一つの故郷 another homeland [旅]

8月25日

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山の大先生であるKさんが北八ヶ岳のしらびそ小屋に行くというので私も参加させてもらうことにしました。私たちはもともとしらびそ小屋の仲間で、私は50年ほど前にはこの小屋に入り浸りだったんです。「しらびそ仲間」は、今でも何かと付き合いのある親戚みたいな感じです。
自分の仕事を始めてその間はほとんど小屋にはご無沙汰でした。3年くらい前にひさしぶりに行って、そして今回です。
ところで、しただから車でのルートをカーナビで検索したら意外なことに群馬経由より長野道経由の方が30分ほど近いことがわかり意外でした。そこで北陸道、長野道、小海線沿いと回って来ました。途中小布施PAで一休みです。

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そのKさんと小海線の松原湖駅で待ち合わせしたのですが、なんの手違いか?彼は海尻に住んでいる前のしらびそ小屋ご主人(今のご主人のお父さん)の家に行っちゃいまして、まあそんなもんで、昔は松原湖からも、海尻からでもしらびそ小屋まで歩いて行ったものです。適当な感じ!地元佐久の大工さんの車で来たんで途中の道で出っくわしました。

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稲子湯の少し先の唐沢橋に車を置いて、Kさん夫婦、大工さん、私の4人です。上り始めます。何とKさんの遅いこと!足はわりに大丈夫なんだけど、身体への酸素の取り込みがうまくいかないようで、終盤は10っ歩毎に一休みみたいになってしまいました。コースタイムの倍以上かかりましたが、私はひさしぶりのしらびそへの道を懐かしむことが出来ました。小屋への荷上げもよくしたんですが、その頃はこのコースをほとんど走って上がりくだりしたもんです。
サルオガセを見るのはしただ辺りの山ではありません。(右上)水場にある標識です。(右下)この辺りがほぼ中間地点で、これからの急登には、ここが休憩場所です。

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小穴の中にヒカリゴケがひっそり輝いてます。(左上)これは外の明かりの反射光です。名も知らないランの仲間です。(右上)湿気が多くクモの巣に付いた朝露がまだ光ってます。(左下)地表はコケに覆われて間からいろんな植物が顔をのぞかせています。(右下)懐かしい北八ヶ岳らしい情景です。

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水場からしばらくの急登を上り切るともうじきです。

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トロッコ軌道の跡はほぼ平らです。(上)まずは小屋の前で一休みです。ここは標高2,040mで、目の前は「みどり池」という小さな湖です。夏は涼しく、冬は寒いところです。

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小屋から見る「みどり池」と東天狗岳の東壁です。(上)ここから登山道は中山峠や夏沢峠の八ヶ岳稜線へと続きます。(下)

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私たち4人は遅くなるのを見越して早めに上り出しました。後から地元と東京の仲間も到着です。私たち一行と、広島からのお二人様だけです。どこの山小屋も台風が来るということでお客さんを断ったようです。台風10号はその後当初の予想コースを外れてなおかつ迷走したので、翌日も登山日和となりました。

8月26日

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森のリスが来る山小屋なんですが、今日はちょっと出て来ただけでした。
ウソは他のコガラ、ゴジュウカラなどよりちょっとだけ体が大きいせいなのか、やたら威張っていて餌も独り占めします。


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喉の赤い左のウソと右のコガラです。
窓辺は小動物で賑やかです。

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広島の人たちは稜線往復をしましたが、私たちはしらびそ小屋が目的地です。小屋でのんびりするメンバーもいますが、元気なメンバーは周りの森の散歩です。

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縦走路というわけではなく、小屋の周りの散歩道です。コケに覆われた岩や倒木の間を彷徨います。

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地衣類(上)やキノコ(下)が目に止まります。魚の鱒の肉に似た赤いマスタケという食用キノコをたくさん見かけます。

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美しいコケの森は静かでしみじみ楽しいですよ。

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霧が晴れて一瞬稲子岳が姿を現しました。(上)穏やかな北八ヶ岳には珍しい険しい岩登りの山です。南壁左カンテが人気のルートです。
一旦小屋に戻り、ウドンをいただいて、後はのんびりと下ります。
この際だから海尻、相木、佐久と久しぶりにお目にかかりたい知り合いがいるんですが、またちょくちょく来たいです。しらびそ小屋とこの辺りは若い頃を過ごした懐かしい故郷のようなところです。皆さんがお元気なうちに来ないとね。

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帰りも長野道周りにしました。また小布施のパーキングに寄りました。食堂に北斎の絵の大きなコピーが
ありました。小布施、岩松院の天井画/北斎肉筆画の傑作「八方睨み鳳凰図」です。そのうち実物を見たいものです。

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